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【気になる後輩】

 1人で起きあがって台所へ行き、ビールを煽った。
 引越祝いで酒持って来た連中は、なかなか気が利いてる。
『仲良いんですね…。』
 夕方の後輩を思い出しながら、窓から差し込む街灯の明かりの下、1人でチビチビ呑んでいた。
 そーいや、和己は地味にモテるよな…。
 シュワシュワと音を立てて消えていく泡を眺めながら、和己の顔を思い浮かべる。
そもそも、何で同棲することになったんだっけ?
俺は1人で暮らすつもりで部屋を探し始めたのに、以外に部屋代が高くて渋ってる時「一緒に住みましょうよ。家賃折半だし」などと言われて、ついOKしてしまった。
 そもそも、関係を持つようになったのだって、和己から言ってきて……。なのになんで、あの後輩の事でモヤモヤするんだ?

 綺麗で、素直そうな後輩だった。
 多分、随分前から和己のこと好きだったんだろうな。
 察しのいい和己が、その事に気付かなかったなんて、ある訳がねぇ…。
 グビッ…と残りのビールを飲み干して、少し離れたところに寝ている和己を見た。
 何で俺は、イライラしてるんだ?
 音を立てずに近付いていき、鼻をつまんでやって唇を合わせた。
「……」
「………!んぅっ」
 息が出来なくなった和己が、慌てて俺を剥がしにかかる。
 顎を押さえて力の限り塞いでやると、ジタバタと藻掻き出した。