HEAVEN 強姦編

「お疲れーダウンして終わってくれー」
「「はいっ」」
 子供達の元気な声が木霊する。
 ここに来て一ヶ月の時が流れた。

 元希さんの事以外は、元の世界と何一つ変わっておらず、そのこと以外は元の世界と完全に同じだった。
 今までの大学に通い、今までの学友と過ごし、夕方や休日はシニアの練習に追われる。
 小さな元希さんはすっかり俺に懐いてくれて、みんなと解散した後、こっそり合流して俺の部屋に来るまでになった。

 その頃には、部屋から無くなっていた、元希さんのお気に入りはみんな揃えていた。
 始めて元希さんが家に来た時は、気に入るものばかりでとても上機嫌だった。
 そりゃ、元々貴方が自分で選んで決めた物ばかりんだから、気に入るでしょうね。
 最近は、家についたら元希さんのマッサージをするようになっていた。
 高校時代、シガポに「素人は筋肉を触らないように…」と言われて、あれからずっと勉強して、三橋も元希さんも揉んでいたから、今ではちょっとしたものだ。

 ズボンの片方をまくり上げ、オイルを付けて疲労を取るマッサージをするのは、日常になっていた。
 今日もいつものようにオイルを取って部屋に戻ると、元希さんはズボンを脱いで、下着姿にしまっていた。
「だって、監督って捲り上げたところギリギリまで揉んでくれるし、汚れっとヤダから」
 あっけらかんと、そんな答えが返ってくる。

 やばい…。
 練習中ですら、うっかりしてると魅入ってしまう元希さんの肌が、惜しげもなく目の前に晒される。
 汗を伝う鎖骨のラインとか、服の上からでも分かる腰のラインに目が釘付けになることも度々あり、自分を押さえるのに精一杯の時もあるのに…。
 それに、禁欲生活も……もう、大分長い。
「そう……だな。」
 相手は中学生だぞ。…と、自分に言い聞かせて、オイルを手に取りいつものように膝のマッサージを始める。
 疲れた身体には気持ちいいらしく、元希さんの目がトロン…と、蕩ける。
 ………そんな、気持ちよさそうな顔。……するな。

 元希さんは、点けたテレビを見ながらボーとしている。
 剥き出しの脚を触っている内に、魔が差して、元希さんが感じるラインを、スーーーーッと撫でていく。
「………あっ。」
 あからさまに反応してしまったのが恥ずかしかったのか、初めての感覚に驚いたのかは分からないが、元希さんはビックリしてこちらを見た。
「ん?何?」
「……いえ、何でもないです」
 誤魔化そうとしても、元希さんの感じるところを指で押すと、ビクビクと身体が震えた。
「あ……あのっ…。ちょっ」
 調子に乗って足の付け根の方まで指を滑らすと、慌てて俺の手を止めに来た。
「何?ひょっとして、感じる?」
 分かり切っていることを囁くように問うと、元希さんは勢いよく、ブンブンと首を左右に振った。
「そ…、じゃ、問題ないね」
 剥き出しの脚を、一気にグゥッと際どいところまで、マッサージの装って、元希さんの感じるところを刺激してやった。
「ひゃっ……ああぁぁっ」
 慌てて元希さんは両手で口を覆った。
「気持ちいーんだ?」
 してやったりと囁いてやると、ブンブンと必死で首を左右に振った。
 可愛くて、思わず自らの唇を舐めてしまう。元希さんが、俺の舌なめずりを見て、びっくりしたようにこちらを向く。
 エロイ顔してるんだろうな…、俺。
 全部、あんたが煽ったんだよ。

  下着の上から勃ちあがりかけた膨らみを撫でてやると、元希さんはビクリと反応を返した。
「あっ……あっの……」
「んー?」
 その、いかにも『困ってます』という態度が、可愛らしかった。
 ずりずりと後退するが、ささやかな抵抗は、無いに等しいものだった。
「お…俺、帰ります。」
「どうして?こんなに堅くして。辛いだろう?」
 膨らみを撫でていただけだった手を、形を確かめるように扱う動きに変えると、元希さんはズリズリと後ろに下がって逃げようとする。
「いや……ツラくなんか…」
 それ以上、どういえばいいのか言葉を探している元希さんのスキをついて、下着の中から元希さんを取り出した。
「あ…っやだっ。……ぁーーーっ」
 下着を脱がせながら、まだ幼さの残る雄の証を口に銜え込んでやると、元希さんから、か細い声が漏れた。
 散々、身体を重ねてきたんだ。アンタの悦いところなんか、全部知ってるよ。

 葉脈のように血管が走る幹の部分を、ぐるりと舌を絡めながらカリ首まで舐め上げた。
 先端を吸い上げると、あっという間に元希さんは音を上げ始めた。
「や……、あ……もっ……でちまうっ」
 気持ちいいでしょう?でも、まだまだこれからですよ。
「好きな時に、達っていいですよ」
 指を濡らして、堅く閉じられた蕾へと這わす。
「なっ……ちょっ……ヤメロ!」
 流石に、そんなところを弄られるのは抵抗があるのか、本気で抗い始めた。
「ふ……うぁっ…っ」
 でも、口の中に含んだ人質をよりいっそう強く吸い付きながら後ろへ指を潜り込ませると、元希さんは全身を強ばらせ、背を逸らして耐えるしかできなかった。
「やめっ……っ」
 埋め込んだ指で、元希さんの悦ぶ場所を刺激してやる。
「あっ……あっ…あぁっ」
 元希さんは、俺の髪を引っ張ったり、ポカポカと俺の頭や背中を叩いて、全身で拒絶した。
「やだっ……やっ……やだぁぁぁ」
 でも、もう力もまともに入らないのか、可愛い抵抗が却って征服欲を煽る。
 指を増やして、意地悪く前立腺を強く刺激してやると、口の中でビクビクと震えながら先走りの蜜を溢れさせた。
 2点同時の強い刺激に、元希さんは爪先まで力を込めて抵抗したが、抗いきれずに身体を硬直させて達してしまった。

 ゴクリと飲み干してやると、元希さんが信じられないというような顔でこちらを見た。
 埋め込まれたままの指を、ほんの少し動かすと、元希さんは初めてその部分を見下ろす。
 ヌルリと引き抜いては、手首を回転させながら指を埋め込んでいく…。
「ひゃっ……ぁっ……ぁ……ぁ……やだっ、やだっ、やだっっ!」
 逃げようと腰を引こうとしたが、逃がさなかった。激しく出し入れしながら、更に指を増やして追いつめていくと、放出したばかりの中心が、再び頭をもたげていく。
 それを見られるのが嫌なのか、元希さんは必死になって手で隠そうとした。
「自分でシゴきたいの?いいよ…」
 わざと耳元で囁いてやると、凍り付いたように固まった。
 その隙をついて押し倒し、脚を広げさせると、自分のものを取り出してその場所にあてがった。
「あっ……なっ…やめ…」
 その、怯えた目がゾクゾクするよ…。元希さん。
 俺は、ゆっくりと腰を押し進めた。
「やだ。止め…あ……やっ、ああぁっ!」
 痛みに逸らされた首が、無防備に俺を誘う。
 汗の浮き出る首筋を舌で辿ると、元希さんは肩をすぼめて、何とか逃れようとする。
 耳へたどり着き、その穴を舐めると、ゾクゾクと震えながらくぐもった声を漏らす。ここは、あなたの弱点ですからね…。
「ふぁ…、ふぁ……ぁぁん」
 力が抜けたところに、また少し腰を進める。
 堅い蕾は閉じられたままで、先端のほんの一部しか潜り込ませることが出来ない。
「あ…や……、やめっ」
「力抜かないと、裂けちゃいますよ。もっと、リラックスしてください…。」
「できっ……るかっ」
 さっきまでの敬語はすっかり吹き飛び、いつもの元希さんと話しているような気になった。
 でも、この元希さんは処女だから、ゆっくり進めてあげないとね…。
「う……ぁ…いっ……たぁ…っ」
 先端で徐々に入り口を押し広げながら、傷つけないように慎重に進めていった。
 元希さんも、ここまで来たらヘタに動けないのか、玉のような汗を額に浮かべながら、大人しく耐えてくれている。
 血の気が失せ、青ざめた顔色で小刻みに震える元希さんの腰に腕を回し、そっと抱きしめた。
「怖い?」
「ぅ……く、怖くなんかねぇよ。自惚れてんじゃねぇっ!」
 精一杯虚勢を張る元希さんを可哀相だと思いながら、元希さんの中へ侵入していく喜びを、久々に味わう。
「あっ……あっ……ぁ」
 痛みのあまり、無意識に俺の服に縋り付いてくる姿が、たまらなく愛おしい。
 ごめんね、元希さん…。こんな辛い思いさせてるのに、俺だけ楽しくて…。その分、元希さんもすごく気持ちよくさせてあげるから、許してくれると嬉しいな。
 長い時間をかけて全て収まりきって、元希さんの尻に俺の腰が直に触れると、堅く閉じられていた瞳がうっすらと開かれ、噛みしめられていた唇は、華開くように綻んだ。
 元希さんが「ホッ…」と、したのがこちらにも伝わる。切れてはいないようだ。怪我をさせずに済んだ事に、俺自身も安堵した。

 元希さんはキツイ目を俺に向け、口元を口惜しそうに歪ませる。
 そんな所も、全部可愛いですよ…。
「何、笑ってんだよ!そんなに可笑しいのか!てめぇがした……むぐぅっ」
 怒鳴る元希さんの口を、手で押さえつけた。
 頭を床に固定した状態で、ゆっくりと腰を動かす。
「んぐ……んんっ………んーーーーーっっ!」
 元希さんが喜ぶ場所を、惜しげもなく突いてやる。
「んっ……んぅっ…………っ」
 引き抜く時に、カリが好きな場所に当たるように、器用に腰を回してやる。
 あんたが、俺に散々注文付けて覚えさせた腰使いだよ。気持ちいいだろう?
「あ…あっ……あぁん……やぁっ……ぁ……んっ」
 手を離すと、元希さんは女みたいな嬌声をあげて悶えた。
 やっぱ中学生の頃は、今より声が高かったんですね。……随分と、可愛いらしいですよ。
 乳首を舐め上げると、ピクリと反応はするが、元の元希さんほどの反応が返ってこない。
 …そう言えば、今、あれだけ感じるのは、俺が開発したんですっけ…。
 また、開発してあげますからね…。
 そこはあきらめて、深いキスで舌を絡め取りながら、激しく腰を打ち付けた。
 逃げようと首を振るのを、逃さず捉え、執拗にキスを繰り返していると…やがて元希さんの身体が、一瞬硬直し、俺の腹に温かいものが放たれた。

「は…っ、初めてなのに後ろだけでイッちゃったんですか?素質ありますよ。元希さん…」
 言ってしまってから、目の前の元希さんが、まだ中学生だったことを思い出す。
 早めに解放してやろうという気になって、腰の動きを早めると、元希さんはいっそう悶えた。
「んぁっ……やぁぁんっ……、やだ……っやだぁぁっ」
 そか、イッたばかりだから、さっきより感じるんですね。でも、そんな可愛い声出されてるんじゃ余計止められねーよ。
 何度か腰を激しく打ち付け、やっと達した頃には、元希さんの顔は涙と鼻水と涎を垂らして、ぐしゃぐしゃになっていた。
 力無く投げ出された長い手足と、薄い筋肉の付いた身体が美しく、その身体の中心には、未だ俺の楔が深々と突き刺さっていた。

 カシャ…
 小さなシャッター音に、ぐったりとしていた元希さんが目を開けた。
「な…」
 俺の手にある携帯を見て、みるみる顔色が変わる。
「綺麗に撮れてるよ…」
「あ……っ」
「大丈夫。誰かに見せたりしないよ。君さえ言うことを聞いていればね…」
 青ざめる元希さんを見て、「ああ、自分は酷いことをしているんだな」と自覚しつつも、この人を征服できる暗い喜びに酔いしれていた。

 洗面室から湯で濡らしたタオルを持ってきた。
 顔を拭いてやろうと近付くと、元希さんは慌てて俺から離れようとした。
「ぐぅっっ」
 いくら切れなかったと言っても、急に動いたので腰にダメージが響いたのか、元希さんはなうめき声を上げて、さして動くことも出来ずに、そのまま床に突っ伏してしまった。
 動けない身体で、敵意を込めた瞳をこちらに向けて、睨み付けてくる。
 ああ…その目だ。
 初めてシニアで出会ったときも、そんな目をしていましたね。
 あの時はビビッちゃってたけど、今は可愛らしく映るのは、どうしてなんでしょうね。
「痛い?」
「……ったり、前だ!」
 元希さんはまっ赤になって、口惜しそうに唇を噛んだ。
「今日はもう泊まっていくといい…。動けないのを、知り合いや家族に理由を聞かれたくはないだろう?」
 電話の受話器を持ってきて、元希さんに差し出した。
「さ、電話しないと心配されるよ?」
 元希さんは一瞬躊躇ったが、結局、受話器を受け取り家へ電話を架けた。
「もしもし………、母さん俺。…今日は、監督のところ泊まってもいーかな。…うん。……うん。そう、シニアの監督の家」
 俯いて電話をする元希さんの表情を伺い知ることは出来ないが、多少くぐもっていても、声のトーンは平静を装っていた。
 たった今まで、あんな目にあわされていたのに…そういう気丈な所も大好きですよ。
 幼さを残す首筋が、喋るたびに目の前で動きを見せる。
 あの首筋に、もう一度吸い付いたら、この人はどんな顔をするだろうか…
 そんな事を考えていると、元希さんが俺に受話器を差し出し「代われって…」と、付け加えた。
 電話の向こうの親御さんに丁寧に挨拶をし、明日送り届ける旨を伝えて電話を切った…。
 受話器を電話へと戻し、にこやかに振り向きながら、ゆるゆると身体が動かせるか確かめている元希さんへと近付いて行き、目の前に座って、ニッコリと告げる。
「さぁ、これで朝まで、ずっと一緒ですね…」
 青ざめる元希さんの背と膝裏に腕を回し、お姫様抱っこにして、ベッドへと連れて行く。
「や……ちょっ……」
 恐怖からか、元希さんの身体が震えだした。
 先程までのキツイ目線が、今では不安の色の方がずっと濃くなっている。
「大丈夫ですよ…。気持ち悦くしてあげますから…」
「……ゃ……や…だ」
 カタカタと震え始める元希さんをベッドに降ろし、胸の上まで捲り上がっていたシャツを脱がすと、柔らかいタオルで両腕をくるみ、クローゼットの取っ手に掛けてあったネクタイで、両手を後ろ手に縛った。
「あっ…」
「無理に動かないで…。筋をひねると良くないですから…」
 白々しく気遣いながら、もう一本ネクタイを取り出して目隠しをし、仰向けに押し倒して元希さんに乗り上げた。
「ひっ…」
 腹に少し触れただけで、元希さんの怯えた声があがる。
 ……さぁ、これから、どうしようか。楽しみで仕方有りませんよ。

 裸で目隠しされ、手を縛られて身動きもままならない元希さんを見ているうちに、かつて感じたことのない感情が沸き上がってくる。
 俺の方がタチ役といっても、常に元希さんの方が優位に立っていた。
 それでも、何の不満も感じたことなど無かったが、今、こうして何の抵抗も出来ない元希さんを目にすると、堪らなくなるほど劣情が煽られる。
 貴方を前に、これだけ優位に立てる日が来るなんて、夢にも思いませんでした…。

 つぅ…と、顎のラインをなでて、そっとキスを落とした。
 唇を噛みしめて耐える元希さんの声が聞きたくて、軽いキスを繰り返すが、顔を背けて逃げようとする。
 顎を捉えて無理矢理こちらを向かせるが、堅く閉じられた口が開かれることは無かった。
 仕方ないので、キスをしたまま元希さんの鼻をつまむ。
「ん…んん――っ」
 後ろ手に縛られた状態では、元希さんは身を捩らせるしか俺から逃げる方法がない、でも、いくら足掻いたところで体格の有利な俺が上に乗ってる状態では、抜け出せるものでは無かった。
「ぷはっ…」
 ついに苦しくなって、空気を取り込もうと元希さんが大きく口を開き、そのスキを見逃さず口付けを深く合わせた。
「んぐっんん―――っっ」
 鼻はとっくに解放してやったのに、深いキスに上手く息が出来ないようだった。
 それでもやがて、ガチガチに緊張して、堅くなっていた元希さんの身体は、ゆっくりと蕩けていった…。
「ん……ふぅ……っ」
 吐息に甘い声が混じりだした頃、唇を解放してやると、胸を上下させながら急いで酸素を取り込む。
 息をする度に艶めかしく動く首筋へと、ゆっくりと唇を移してく…。
「…………ぁ……ん」
 赤く熟れた胸の先端を、優しく指で撫でてやりながら鎖骨へと舌を這わすと、腹に当たる元希さんが、反応を見せ始めた。
 同一人物なのだから当然かもしれないが、声が上がるポイントは同じだった。
 知り尽くした元希さんの弱い所を、ひとつひとつ丁寧に舌先と指で愛撫する。
「あ……、やだっ」
 元希さんは、逃げようと後ろ手に縛られた腕を揺すって、何とか解こうとする。
 跡を付けるわけにはいかないと、柔らかいタオルで包んだ上に縛ってあるので、徐々に緩んでくるのだろう、元希さんは「あともう少し」と言わんばかりに腕を動かして、手を抜こうと必死になっていた。
 目の前でそんな事やってて、見逃すとでも思ってるんですか?
 元希さんの身体をくるりと返し、今度は俯せにして後ろから抱きかかえた。
「や…っ」
 背後から何をされるのかと、緊張の走る背中に、うなじから肩胛骨へと舌を滑らせる。
「……っ!……!」
 触れるたびに、ビクビクと震えながら反応するのが楽しくて、チュッチュッチュッ…と、あちこちキスの雨を降らせた。
 その度に弾かれるように感じてしまうらしく、背中に全神経が集中しているのが分かる。
 キスを落とすたびに、元希さんは弓形に背を逸らすが、後ろから覆い被さって居る俺から、逃れることは出来ない。
「はっ……あぁっ」
 緊張感に耐えられなくなってきたのか、声を耐えることを放棄した。
 もっと、もっと…俺を感じてください。
 尖った胸の突起に触れると、弾かれたように反応を示す。
「あ……っ」
 さっきより、ずっと感度が上がっている…。
 ベッドの側に仕舞ってあったローターを取り出し、朱色に染まる堅くなった胸先にそっと触れさせた。
「あっ……あぁぁぁぁぁっ」
 今度は背を丸めて、人工的な振動から逃げようとするが、丸められた背を舐め上げると、ビクリと背筋が伸びた。
「やっ……やあぁぁぁぁっ……やだぁっ」
 逃れようにも、下半身は俺に体重をかけてのし掛かられ、胸にはローターが悪戯してくる。ローターから逃れようとすると、背中を舌で舐められる。
「も…やだぁ……カン…ト…ク、………やめ……っ」
 本人ではどうしようもない状態に、とうとう元希さんは俺に哀願しはじめた。
 目隠しで顔は見る事は出来無いが、開いた唇からは唾液が伝い漏れ、高揚した頬は朱に染まり、明らかに性的に興奮していた。
 何より、元希さん自身が堅く形を成し、先端から蜜を零し始めていた。
「止めて欲しい?」
 耳元で囁くと、元希さんはコクコクと何度も頷く。
「俺の、言う通りに出来る?」
 ………少し間があったが、元希さんはコクリと頷いた。

 ローターを横に置き、手を解いて目隠しを取ってやりながら、優しく仰向けに寝かせてやった。
「言うことを聞かないと、また使うからね?」
 そう告げると、元希さんは瞳を揺らめかせて、俺を見つめた。
「足、開いて…」
 俺の命令に、元希さんの足がスーッと、開かれていく。
 すっかり勃ち上がって先走りで濡れてしまった元希自身と、その後ろにひっそりと存在する秘部がよく見える。
 そっと性器に触れてやると、ピクリと反応して、空いている手で秘部に指を滑らすと、先ほど俺が出したもので、内部が濡れていた。
「う……っ」
 滑りに任せて中へと指を押し込み、元希さんが好きな所を触れる。
「……っ」
 指先で柔らかい部分を擦ってやると、慌てて足を閉じようとしてきたが、間に俺がいる状態では適わなかった。
「ん……んっ……っ……」
 指を増やして、段々とその動きを激しいものに変えていと、左手で握っていた元希さんが、ビクビクと先走りを零しながら反応して、感じているのが見て取れた。
「気持ちいい?」
 優しく問いかけると、きつく閉じられいた元希さんの目が、そっと開かれる。
 潤んだ瞳が、困ったように揺れる。
 ぐるりと指を回してやると、「あ…んっ…」と可愛らしい声を出して震えた。
「挿れてって、お強請りしてごらん…。」
 元希さんの目が、信じられないと言わんばかりに開かれた。
「さっきも気持ちよかったろう?ココ…」
 内部の指を器用に蠢かして、元希さんの性感帯を刺激してやる。
「くぅっ……んっ。……いっ…痛かっ……た!」
 首を振って否定する元希さんに、また質問を重ねた。
「そう?最後の方は気持ちよさそうだったけど…」
「………!」
 まっ赤になって俯く顔が、可愛くて仕方がなかった。
「あ…っ」
 クチュクチュと粘着質な水音と共に、指での刺激を更に欲した内壁が絡みついてくる。
「ほら、こんなに欲しがってる…身体は正直だね」
 言葉で責めてやると、元希さんは益々まっ赤な顔をして涙を滲ませた。
「言う通りにするって、話でしたよね?」
 沈黙の中、スイッチを切らなかったローターが、ビィィィィィィィィィィと、鈍い音を室内に響かせていた。

「足を持って……、こう。」
 元希さんの膝裏に手を回させて、自らの足を抱え広げるポーズを取らせる。
 その姿を眺めみる俺を、ちらりと盗み見て目を伏せた。
「言ってごらん…さっき教えただろ?」
「え?」
 投げかけられた言葉に、不安を隠しもせず、元希さんが聞いてきた。
「挿れてください…って、言うんだよ。簡単だろう?」
「!」
 驚いて目を見開いたが、すぐにその表情は、苦渋の色を滲ませた。
「挿…れ……て…くだ…さ……ぃ。」
 屈辱に震えながらも言い終わると、元希さんの目から堪えきれなくなった涙がボロボロと溢れた。
 その姿を見て、すごく可哀相だと思った。
 最愛の人をこんな目に遭わせて、自分は一体何をやっているんだろう?

 しかし、ソレと同時に俺の言いなりになる元希さんに、得も言われぬ程の高揚感に満たされる。
 いつまでも動かない俺に、元希さんがそっと目を開けた。
 覆い被さるように近付いて、息が触れ合うほどの至近距離で、元希さんを真っ直ぐに見つめた。
「愛してますよ。元希さん…」
「え…?んっ……」
 そっと唇を合わせてキスをする。
 今度は紛れもなく、恋人同士の口付けだった。
 優しく差し入れる舌に、今度は素直に絡めてくる。
 好きです―。

 好きです。好きです。好きです。
 貴方の恋人になれた幸せを、俺はいつの間にか、当たり前のように感じていました。
 どうか…もう一度、俺のことを好きになって下さい…。

 想いが少しでも伝わったのか、たどたどしくも応えようとしてくれた。
 その口付けに誘われるかのように、ゆっくりと身体を進めていく…。
「ん…あっ」
 少しでも苦痛が和らぐように、元希さんの身体に触れながら侵入していった。
「はぁ……っ。あっ……」
 律儀に自らの足を抱えたまま、俺を受け入れていく…。
 辛そうに眉根を寄せながらも、俺を受け入れてくれる元希さんを見ていると、温かい感情がわいてくる。
 大切にしますから、どうかこのまま側にいて下さい。
 そう思って、少し可笑しくなった。
 貴方がどれだけ嫌がったところで、俺は決して逃がしたりしないんだろうな…。


 ―後日―

 元希さんの通う中学校の側に駐車して待っていると、人目を避けるようにドアを開け、元希さんが乗り込んできた。
 シートベルトを締めるのを確認して、車を走らせる…。
「お家の人には、何て言ってきたの?」
「………泊まるっ……て」
「そう。」
 何気ない会話にも、今夜への期待が膨らんだ。
 盗み見た、少し緩められた襟元から覗く鎖骨は、キメの細かい瑞々しい肌で、今からあそこへむしゃぶりつくを想像して身体が熱を帯びる。

 信号で停車したときに、悪戯心から元希さんの太股をさすった。
 膝の方から足の付け根へと撫でてやると、緊張しているのが伝わってくる。
「随分、緊張してるね」
「…そりゃ」
「何?恥ずかしいことされるのが待ちきれないとか?」
「なっ……」
 反論しようとする元希さんを無視して、掌を太股から足の間の膨らみへと移動させる。
「…………っ」
 ゆるゆると刺激してやると、声も出せないようだった。
 ……それでも、嫌がってるなら身を捩るくらいしてきそうだが、元希さんは黙って耐えているだけだった。
 信号が青に変わると、パッと手を放して、ハンドルを両手で操作した。
 突然、放り出された元希さんの息が荒い…。
 欲情しているのが分かると、こちらも自然と煽られてきた。
 次の信号に引っかかり、再び手を伸ばすと、ビクビクッと、いい反応が返ってきた。
 少し扱ってやると、どんどん大きくなるが、信号もすぐに変わってしまう。

 トロン…と、蕩け始めて潤んだ瞳に、上気した頬…。
 はぁはぁ…と静かに漏れる、少し荒い息が堪んねーよ。「窮屈そうだね、出してあげたら?」
「えっ……?…何?」
 戸惑う元希さんに、畳みかける。
「どうせそんな状態じゃ、駐車場から部屋まで行けないだろ?」
 ズボンを持ち上げるソレを取り出すと、勢いよく跳ねたようにプルッと出てきた。
「くす…そんな我慢できなかったんだ。」
 かぁっ…と、羞恥に染まる姿を満足げに眺めながら「早く触ってあげたら?」と、優しい声で意地悪を言ってみた。
 元希さんは、弾かれたように驚いた顔をこちらに向ける。
「俺は運転中だよ。事故りたくは無いだろう?」
「………」
 突き放された事による、不安に満ちた表情にゾクゾクした。
 元希さんは軽く目を伏せて、ゆるゆると遠慮がちに自らの中心へと触れていく…。
 車の外の目が気になるのか、時々、周りを見回しては手を止める。
 集中できないのか、なかなかイク事が出来ないでいる。俺の住むマンションはあの角を曲がればすぐだった。
「もうすぐ、着いちゃうね。」
 焦れば、焦るほど上手くいかないみたいで、益々困る元希さんを見ていると、自然と口元に笑みが浮かぶ。

 駐車場で停車するためにバックしているときには、元希さんの手元には堅いソレが、ぐちゅぐちゅになって後には引けない状況だった。
「着いちゃったね」
「…………」
「どうしようか、それ」
「俺が口で抜いてやろうか?」
「え…ええっ!」
 余程予想外だったのか、元希さんは力一杯何度も左右に首を振った。
「そう…?」
 美味しそうなキャンディーを舐めるのも楽しそうだったんだけどな…。
「じゃ、自分でイクしかないね」
 その言葉で、弾かれたように元希さんは俺の顔を見た。
 「助けて」って言ってるのが、聞こえるようだよ。でも、たった今それを断ったのは、元希さんなんだからね…。
「ほら、目を瞑って…」
 言われるままに目を閉じる。俺にして貰うのを期待しているのか、手は止まったままだった。
「何してるんだい?触らないと達かないだろう?さ…さっきみたいに触れて…」
 止まっていた手が、ゆるゆると再び扱いだす。
「そのまま思い出してごらん、俺に、どんなふうにされたのか」
「!」
 この間の夜を思い出したのか、元希さんの身体が硬直する。
 俺は構わず、そのまま続けた。
「どんなふうに触られた?気持ちよかっただろう?」
「あ…」
「後ろに指を入れられたとき、あんなによがってたじゃないか。どんな感覚だった?………今、その場所は疼かない?」
「や…」
「嫌じゃ無いだろう?さっきより、ずっと蜜が溢れてるよ…」
 つぅーと、元希さんの指に垂れた透明な蜜をすくい取り、ついでのように先端の蜜口も刺激してやる。
「やぁ………っ」
「気持ちよくなくちゃ、こうはならないよ…」
 ぷるぷると震える、ピンク色の性器を眺めながら、すくい取ったものを口に含んだ。
「美味しいよ…。今からもっと食べてあげるね」
「!」
 その台詞を聞いた途端、元希さんが目を見開いて、ビクビクッ…と、達してしまった。
「想像してイッちゃったんだ?」
「………」
 まっ赤になって俯き、ちょろちょろと流れる残滓を持て余していた。
 先程まで軽く開かれていた足は、内股にピッタリと閉じられ項垂れる姿が可愛くて仕方がない。
 タオルで綺麗に拭いてやりながら、衣服を整えるのを手伝ってやった。
 助手席側のドアを開けてやる頃には、元希さんはぐったりと俺に凭れかかってきた。
「……さ、行こう」
 コクリと頷き、素直に俺の後を付いてきた。
 エレベーターで昇り、部屋の前に立ったとき、一瞬だけ元希さんは入るのを躊躇った。
「あ…」
 その場に留まり、足を踏み出そうとはしなかった。
「どうしたの?」
「………」
 元希さんは何も言わなかったけど、顔にはハッキリと「怖い」って書いてあった。
「怖くないよ。さぁ…」
 優しく促すが、やはり元希さんは入ってくれなかった。
 仕方ないなぁ…。 
「あの写真、バラまかれたくは無いだろう?」
 そう言うと、元希さんに緊張が走り、重い足はゆっくりと前へ進んで玄関のドアをくぐった。
 その姿を、満足気に眺める。

 今夜は、あなたの覚えたての性に、俺の名前を深く、深く、刻み込んであげますよ…。

 マンションの扉は、大きな音と共に閉まり、俺はガチャリと鍵を閉め、ドアチェーンで二重にロックした。
 2人だけの世界に、もう誰も入ってこれないように…。



本に載った「HEAVEN」はこれで終わりだったのですが、さなえちゃんから「強姦編の榛名が可哀相で」といった感想を頂き「あれ?あれはあの後、ちゃんと幸せになりますよ。続き読みたいですか?」って聞いた所。

「読みたい!!!!!!!!!!!!!」…と、スゴイ勢いで返事が返ってきてしまい、「HEAVEN2」が出ましたw
もし宜しければ、続きをご覧下さいませ。

2009.02.10



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