Happy Birthday
11月7日は利央の誕生日。
ほんの三ヶ月ほどの間だけど、大好きな準太と同い年になる特別な日。
2人で準太の家へ行き、お祝いすることになった。
利央は準太に一つだけ注文をつけていた。どうせならユニフォームで祝って欲しいと…
「どうして家の中でユニフォームなんか着るんだ?」
準太がもそもそとユニフォームに着替えながら、目の前の利央に聞く。
「え?…だって、今日は俺の誕生日だからお祝いしてくれるんでしょ?」
利央はなんだかんだと要求に応えてくれる恋人に、嬉しそうに笑みを返す。
「それじゃ、答えになってねーよ」
着替え終わった準太は、2人で買ってきたケーキを取り出し、蝋燭を立ててお祝いの準備をする。用意した皿にお菓子を盛りつけている間に、利央もユニフォームに着替えた。
「じゃ、お祝いするか。なんか蝋燭に火つけるもんねぇ?」
準太が利央を振り向くと、思いのほか利央の顔が側にあって吃驚する。
「後でいい…」
耳障りの良い利央の声が、すこし興奮気味に準太の耳に響く。
その声に途端に利央を意識してしまう。こんなトーンの声を出すときは、決まって求めてこられるから…。
利央の誕生日に2人きりでいるのだ。そりゃ、そうなるのは判っていたけど、こんな急にとは思わなかった。少し緊張している俺をすぐそばにあるベットに連れて行き、まるで壊れ物でも扱うかのように、そっと唇に触れてきた。
普段より丁寧な扱いに、自然と羞恥に頬が染まるのを自覚しながらも、今日は言うことを聞いてやるつもりだったから大人しく身を任せて愛撫を受ける。
首筋を舐め上げられて、くすぐったさに身を捩ると、着替えたばかりのユニフォームに利央の指が掛かる。
一つ一つ外されていくボタンを、どこか遠くの出来事のようにぼんやりと見つめる。
「俺……ずっと準さんをこんなふうにしたかった。」
「?…こんなふうって……」
初めてじゃないだろ…と言おうとして口をつぐんだ。
流石に恥ずかしくて、自分から言う気にならなかった。
「ユニフォーム着てる準さん……」
「?!」
言われて初めて、何故ユニフォームに着替えさせられたのか理解した。
「可愛い」
「すごーく、可愛い」
「練習中…ずっと食べちゃいたかったんだよね」
……恥ずかしい事言われているのに、怒る気になれなかった。
だって、コイツがあんまりにも嬉しそうな顔してるから…どこかで許してしまう自分がいる。
ユニフォームのボタンをすべてはずし終えると、アンダーシャツをズボンから引っ張り出されて、裾から手が入ってきた。
今日は何だか、シチュエーションがエロい…。
二人っきりの部屋で、いつもとは違ったユニフォームなんか着て、俺は……すでに利央に何でも許しちゃうつもりでいるし…。
こ…これからどういう事されるのかは…良くわかってて…利央の動き一つ一つに先のことを期待してしまってぞくぞくする。
されんのなんか…最初は嫌で仕方が無かったのに…。
いつの間に俺…、嫌じゃなくなったんだろ?
「ふっ……」
堪らず漏れる声に、利央の機嫌がよくなったのが解る。
「どうしたの?準さん。いつもより反応いいけど……」
話しかけられても答えてる余裕なんかない。でも、次の言葉に我に返った。
「興奮してる?」
「バ……」
慌てて文句を言おうと起き上がりかけた俺を押さえつけて、テーブルに置いてあったケーキのクリームを指ですくって、俺の唇に乗せてきた。
なんだこりゃ、黙れって意味か?年下の癖に生意気なんだよ。
「食べさせて…」
な……。耳元で囁かれて急に恥ずかしくなる。そうだ、今日は利央の誕生日だからなんでもしてやるつもりで来たんだっけ…
クリームをつけられた唇を、利央の口に運ぶ。
いっぱい食べろ…て、意味を込めて利央の背に手を回して抱き寄せると、利央の舌が俺の口の中に入ってきて、もうそれだけでクラクラしてきた。
俺……やっぱ、こいつ好きだ。
自覚しても教えてやら無いけど。
でも、なんかそう言うのは伝わっちまうらしく、なんかコイツ嬉しそう…。
「きょ…今日は、誕生日で…特別だからな」
「えー。ちぇー」
あんまり図に乗られても困る。釘をさしておかないと。
「じゃ、特別なHをしないとね」
「……え?」
利央の指には、再びクリームが盛られていた。
「あーんして…」
言われるままに口を開くと、指で口内を掻き回される。
「……ふっ」
いつもと違うシチュエーションに、変に興奮していて、あっという間に高まってしまう。
「も……っ何か変。」
泣き言を口にすると、今度は大きな固まりを食べさせられた。
口に入りきらないそれを落としそうになって、慌てて手で受け止める。
べったりとクリームで汚れた手を利央に引き寄せられ、一本一本指先から根元まで舐め上げられた。
「やっ……もぉ…。」
燃え上がった身体は、自分では持て余してしまい利央に縋るように抱きついた。
震えて言葉には出来なかったが、すぐに中へと触れてきた。
「ん……っ」
「準サンの中……すごく熱い。やっぱ興奮してるでしょ」
嬉しそうに言われて少し悔しかったけど、素直に頷いた。
今日はお前の誕生日だから、少しぐらい喜ばしてやるよ。
それに、もう…とろけるような身体は、どうにも誤魔化しようが無かった。
「んっ…はぁ……」
利央の耳元で甘く吐息を漏らす…。
遠回しな誘いに応じて、俺の足を肩に担いで侵入してきた。
濡れた先端が身体の中に入ってくる異物感は毎回嫌悪との戦いだが、何故か今夜は待ち遠しくて堪らなかった。
「あっ……あんっ」
先端が入りきったところで、思わず締め上げてるのが自分でも解った。
「力抜いて…準サン…」
言いながら首筋を舐め上げられて、その感覚に出来るだけ意識を集中させて力を抜くように努力する。
「どうして今日はそんなに積極的なんスか?」
……そう聞かれても、返答に困る。どうして?
どうしてだろう?今日は利央の誕生日だから?それとも普段では有り得ないユニフォームを脱がされるという事に興奮してる??
なんて答えればいいのか迷ってる俺のおでこに利央が羽のようなキスを落とす。
「困ってる準さん…って可愛い。」
にっこりと天使のような微笑み。
無駄に顔が整っている分、そんな顔されたら困ってしまう。
「………そっ……そんな、恥ずかしいこと言うな」
言いながら胸が妙にヌルヌルするのに気が付くと、利央がクリームを俺の乳首に塗っていた。
「な…な……なにして…」
「準サンに、ケーキ食わしてもらおうと思ってさ…」
「っ……あぁっ」
言いながら突き上げられた。
衝撃に仰け反ったので、利央からはクリームを塗ったところが丁度舐めやすい所にきた。
舌を滑らせながら、時々突起を刺激してくる。
「や……あっ…あぁっ」
その間も利央は下から突き上げてくるのを止めてくれず、堅くなった俺自身も握り込まれてしまった。
「や……やめっ……ああぁっっ……ぁっ」
気持ちが高ぶっているところに、それだけ強い刺激を与えられれば自然と生理的な涙が頬を伝った。
「可愛い…準さん。潤んだ目がキラキラしてて、見ているのが俺1人だなんて、もったいないくらい…」
もう、半ば利央がなんと言っているのか、聞こえてはいても理解できなかった。
「や……もぉ…やぁ……りぉ……ぅ」
「他の男になんか、絶対に見せてやらないけど…」
「やっ……あぁ………ぁぁぁぁっっ」
ぐったりとした俺を抱き寄せて、利央はあちこちにキスを落とす。
それが意図的なものだと察して「や……もう無理」と、弱音を吐いてみたが結局は利央の気が済むまで離してはもらえなかった。
途中で何度も身体に塗りたくられたケーキには、無残に救った跡が無数に残り、結局俺は泣きながら許しを請うまで体中嘗め回されてしまった…
◇
◇
◇
次の日。
ユニフォームに身を包んだ俺が、練習に気合が入るはずもなく…。
どうしても昨日のことを思い出してしまう…。
様子のおかしい俺を心配して皆が集まってくる。
うう…。すみません先輩達。
困っていると、利央と視線があう。
利央は意味深なウィンクなんか投げてきやがった。
もう、当分相手なんかしてやらねーからな(怒)。
利央!!誕生日おめでとうーーー☆
ちなみにこの「家の中でユニフォームを着て2人でお祝い」というのは、とある所に元ネタがあります。勝手に使ってすんまへん。
2007.11.07