輪ゴム

「おい、利央。勃たねぇんだけど……」
準さんがオレのを口にくわえながら抗議してきた。

そりゃ、そうだよ準さん。俺疲れてるのに3回もしたじゃん。それでも足りなかったの?
もう休ませてよ…
そう思いながらも、一生懸命お口で奉仕してくれている準さんを見ていると、口からは「ゴメンナサイ」という言葉しか出てこなかった。

「俺がこんなに頑張ってんのにっ」
う…怒っちゃったかな?眉根を寄せた準さんも可愛いなぁ…なんて思ってしまう。
でも、どんなに可愛くても今日はもう無理。
練習で疲れてる上、準さんのパシリで走り回ってヘトヘトなんだよ。

俺は瞳をうるうるさせて準さんを見た。「もう無理です」と言うアイコンタクトを乗せて。

「………ちっ」
を?通じた?やった!流石愛の力っっ
俺は心の中で万歳三唱を唱えた。明日頑張るから、今日は許してください。

「待ってろ…」
え?準さんどこいくの……。準さんは裸のまま部屋を出ていき、すぐに戻ってきた。
手に何か持ってる?
心なしか機嫌が良くなってる…。
俺の背中に冷たい汗が流れた…この展開だと大抵ろくな事にならないのは長い付き合いの間、しっかり見に染みついている。

準さんは右手を握りしめてこちらへやってきて、ベッドで寝そべったままでいた俺の腹へ腰を下ろした。
ただし、背を向けて…

「準さん…あの……何?」
「黙ってろよ♪」

準さんが半立ち状態の俺を握る…。
な……何が始まるんだろう………。俺からは準さんの後ろ姿しか見えない。


「ひっ……なっっ」
「動くなよ利央」

嘘だっ嘘だっ嘘だっっ!!
自分に起こったことが信じられない…
俺の身体からゆっくりと準さんが降りてくれたので、自分の変わり果てた息子とご対面するハメになった。

そこには輪ゴムで縛り上げられ、ボンレスハムのような姿になった痛々しいナニの姿が……。
「…………」
俺が言葉も無くショックを受けていると、準さんはさして気にすることもなく俺に跨った。
先程まで何度も出入りした場所に、スルリと埋め込まれる。

「ん……ぁっ」
「うぁっ……準さん」

ヤバイ気持ちいい…
輪ゴムで締め付けられてギチギチ痛いのと、準さんの柔らかな内壁に包まれて、なんか痛気持ちいいです…

「ふっ……」
俺が大人しくしていると、準さんが可愛い喘ぎ越えを漏らしながら動き始めた。
うわっエロ……と、考えた瞬間、下半身に熱が一気に集まって大きさを増してしまった。

「い…イデッ……いででででででっっ」
途端に巻き付けられた輪ゴムがデリケートな場所に食い込む。
「あ……はっ。何やってんだ?利央」
言いながら楽しそうに笑う。……う、その笑顔も可愛いです。
いやいや、流されてはダメだ。

「準さんのせいでしょうぉぉぉぉぉぉ??」
なんとか、文句を言おうとしたが、どう考えてもコレではただの泣き言だ。
「るっせ…」
ゆさっ…と準さんの腰が揺れ始める…

「ん……んっ……っ」
「ちょ……準さん……まっ……早いっ」
そんなに腰使われたら、こっちが我慢できなくなる〜〜〜っっっ
「もうっ」

俺はガバリと起きあがり、準さんを抱きしめてそのまま身体を入れ替えた。
組み敷いた準さんは、朱に染まる頬に目を潤ませながら、してやったりと微笑んでいる。
「〜〜〜〜〜………っ。」
そうだよ。乗せられてるよ。それでも好きで好きでしょうがないんだよ。
こんな事されて、我慢してられるワケけないじゃんか。

準さんの脚を肩に乗せて腰を振り始めると、タイミングを合わせて腰をくねらせ絡みつく。
ちょ……エロ過ぎるって。何処でそんなの覚えて来たのさ…
「ん……あっ…ぁ………利…央ぅっ。」
俺の首に腕を絡ませて耳元に吹きかけるように漏れる喘ぎに下半身が直撃される。
ゴムがギチギチと締め付け、もう、痛いのか何なのか解らないまま夢中で腰を降り続けた。
「準さん……準さん……準さんっ」
もう何にも考えられない。頭の中が真っ白になって、譫言のように何度も何度も準さんの名前を呼んだ。




「は…はっ……はぁ………。」
まだ息が荒い…。
最後の方は何が何だかよく覚えてない。
なんか、やたら気持ちよかった。あんな良かったのは初めてかも…。
輪ゴムを取り払いながら視線を巡らすと、準さんと目が合った。
微笑む準さんは本当に綺麗だ…。

ちゅ…ちゅっ……と、準さんの顔中にキスの雨を降らせる。
『好きだよ……準さん……。』
俺の背に、準さんの腕が絡みついてくる。

少し照れるけど、こういうのって良いよね……。
恋人同士って感じするじゃん♪

微睡むように、じゃれ合うように抱き合って、触れるだけのキスを繰り返す。
「利央……」
「何?準さん……」
愛おしさを込めて、準さんを抱きよせる。
その動きに呼応するように準さんも俺に身体を絡めてくる。

心の中が幸せな気持ちで満たされていく……。
どーしよ。幸せすぎて怖いくらいにクラクラする。大好きだよ…準さん。

準さんの形のいい唇がゆっくりと開かれる。
う……なんかドキドキしてきた。そーだ。今日は頑張ったし。「よかった」とか褒めてくれるのかな?
いやいや、準さんがそんなの言わないよな。
でも、ひょっとしたら「好きだ」とか言ってもらえちゃうかも。

俺は心の中で「キャー」と叫びながら、準さんの言葉を待った。
「も……っと」
「へ?」






「もっと……」
言いながら、準さんは俺にギューッと抱きついてきた。

……………俺、身体持つのかな。
『もっと練習頑張って、絶対準さんより鍛えよう……』と、心に誓う利央なのであった。



実はこれ、頭文字Dで書いたネタなんですよね。
ただし、オチが全く違います。

拓啓で書いたんですが、拓海はショックで勃たなくなってしまい、啓介に慰めて貰おうと電話をするのですが、「じゃ、直ったら連絡してこいよ。俺、京介の所にいくから」とにこやかに返され、後には燃え尽きた拓海が残されたというギャグでしたw

2008.01.23