成長過程 良守は15歳に成長していた。 時音が予感していたとおり、良守は徐々に少年から青年へと変わろうとしていた。 成長痛にのたうち回っている姿も何度か見ていたので随分心配したが、こうして無事大きくなってきた。 今は時音よりほんの少し背が高いかな?と言ったところだが、まだまだ伸びそうだ。 …………が。 「結っ!!」 「結っ!!」 「結っ!!」 「どわぁーーーーーーーーーーーーっ」 「良守っ」 命中率はあいかわらずな上に、周りを全く見ないのでバカに拍車が掛かったような気がする…今も、お留守になった足下が足場の結界を踏み外し転落…。 下に落ちるまでにクッションの結界を自分で作って体制は整え直したものの… 「馬鹿すぎる…」ぼそっ 「え?何か言った?時音」 「別にぃ。あんた重すぎるんじゃないの?前はもっと身軽だったじゃない」 言いながら、妖は時音が退治する。 「んー。良守の修行はパワーに重きを置いてるからねぇ〜」 と、時音の言葉に斑尾が身体をくねらせながらフォロー?を被せてくる。 どうも最近良守が凛々しくなり始めたので、斑尾なりにトキメキを感じているようだ…明らかに依然と態度が変わり始めている… 成長した筋肉が目立ち始め、良守はその分体重も増えたようだし、随分男らしくなってきた。 「ダイエットでもすれば?ヨッシー」 「なにおぅっ太ってねーぞ。見ろっっこの割れた腹をっっ」 白尾の挑発に負けまいと、鍛えた肉体を襟元を大きく開いて見せつける。 「脱がないでよ。もぉっ」 「おお?」 「なにが『おお?』よ」 「いやぁ…はっはっはっ」 時音の反応に、何か良守は嬉しかったらしい。 時音っっ俺に男を感じたんだなっっ(←前向きなヤツだな…) そうだっっ、時音の好みのタイプ【背の高い男性】はもうちょっとだ。 「時音ぇぇぇぇぇ」 「な…どうしたの良守」 「好きだ。結婚してくれ」 「…………あんたバカじゃないの?」 いつもと変わらぬ時音の態度に、良守撃沈。 その様子に白尾は哀れに思ったのだろうか…。 「愛する男に少しの憐れみも感じなかったような女は、多分恋とはどういうものか知らない女であろう。byルノルマン」 と、つぶやいた。 「何よそれ。白尾」 突然の白尾の言葉に時音が戸惑う。 「さぁね〜ハニーが恋を知ったときが、楽しみだなぁと思ったのさ」 含み笑いしながら上昇していく白尾を見つめて、時音は「もうっ。」とふくれる。 ………そりゃ…知らないけどさ… 「あんたバカだねぇ…最近かっこよくなってきたと思ってたのに。はぁーーーーっ。私のトキメキはどうしてくれるのさ」 「お前のトキメキなんか知るかーーーーーーーーーーーっっ」
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