上目遣い
「俯いてるけど…気分でも悪いの?」
俯いてる俺の顔を下から覗く時音…
時音の上目遣いの瞳に、さらに心臓が跳ね上がる
時音が俺のことを、心配してくれてるんだよなこれって…
バクバクいってる心臓が、時音に聞こえないのが不思議なくらいだ。
時音、か…可愛い……
「ちょっと…震えてるじゃない大丈夫?」
「だ…大丈夫」
それだけ言うと家まで猛ダッシュ。
時音はどう思ったろう?
でも、もーあれ以上一緒に居たらこっちがもたいなぁーーーいっ。
家に帰って息を整える
心臓はまだバクバク言ったままだ。
上目遣いの時音。可愛かった…
背が伸びると毎日ああやって時音が見下ろせるのか。
■■■■■
「うおぉぉぉっ…………がんばれ俺」
玄関で気合いの雄叫び。
「よっしゃあーーーっ」
その時部屋の襖がスーッと開いた。
顔を出したのは、何故か兄貴…
「なんか随分気合い入ってるね良守。良くわかんないけど頑張ってね」
なんで、今日居るんだよ。
は…恥ずかしーーーーーーーーーーーーっ。
誰もいないと思っていた良守は激しく出鼻を挫かれてしまった…
がんばれ良守 !!
2007.4.26