継続は力なり

「方位・定礎・結 !!」

「滅 !!」

すごい…
良守が天穴で破片を吸い取る…
良守は強くなった…

「時音?」
振り返った良守は幼かった頃とそんなに変わるように見えない…
でも…
確実に成長してるんだね。

認めたくなくて、今まで何度も何度も否定してきたけど
私……嫉妬してる…良守の力に…
「なんも話さねーけど、どうしたんだ?具合でも悪いのか?
しんどかったら今日は休んでろよ?」
「ん…いい。ありがとう。良守」

このまま行くと、いつか私なんか必要なくなっちゃいそうだなぁ…
いけない、いけない。
おばあちゃんにも言われたっけ、私には私にしか出来ないことがあるって
『常に思慮深く。如何なる時も自分を客観的に観察し、物事の先を見なさい』って…
無い物ねだりしていると、それを見失うって…
「やっぱ顔色悪いんじゃないか?」
「ん…大丈夫よ」

別に体の調子が悪いワケじゃない。
良守に心配掛けるわけにはいかなくて、少し笑って見せた。
「んー」
良守は手を顎にあてて、私を見ながら何か考え込んでしまった。
そんなにすごい顔色なのかしら…
「も…いいから。あと、一周回ったら帰ろう」
それだけ言って、踵を返す。
「時音っ」


「俺、時音になんかあったらヤダ。」
「何かって?」
「時音が調子悪そうにしてるなんて今まで無かったじゃん」
まぁ…体調には気を付けてきたから…
「俺さ、時音がいるから頑張れるんだ。」
「え?」
「本当だぞ。だから、時音が元気ないと俺、なんか落ち着かなくなるんだ」
「あんたに落ち着きがある時の方が珍しいねぇ…くっくっく」
「うるせぇー斑尾っ。黙ってろ」

斑尾が良守の言葉に、間髪をいれずチャチを入れる。
なんだかんだ言ってこの二人?も良いコンビねぇ…

「大丈夫だって言ってるでしょ」
「を?ハニーなんか調子戻ってきた?」
横から白眉が声を掛けてきた。
「馬鹿ね、最初から何処も悪くないわよ。
行くわよ白眉。良守もそっちから回ってきて頂戴」
「お…おぅ。」
腑に落ちなそうな良守を後にして、烏森を見回る…
今は私の出来ることを一つ一つ積み重ねていこう。

良守だって最初は全然ダメだったもの。
一つ一つを積み重ね
続けた先には、きっと何か私を支えてくれる新しい自信が待ってる…
と、僕は思った。



「俺さ、時音がいるから頑張れるんだ。」

↑さり気ない告白スルー… orz

2007.4.29