「う………っ………っ。はっ…はぁ」
少し息の上がった呼吸音が静かな部屋に響いた。

「っ……くそっ」
榛名は苛立たしく丸めたティッシュをゴミ箱に放り投げた。
あれから何度やっても自慰では満足出来なくなっていた。
「あいつが器用すぎんだよ…」
大人しそうな顔してとんでもないヤツだ

榛名の脳裏に、お口でご奉仕する三橋の姿がよぎる。
従順で、小動物みたいな動きで無害にしか見えなかった…
まさかタカヤにファーストキスを先越されているとは思わなくて、三橋で試した。
正確に言えば単なる練習台だ。

なのに…
やべぇ…なんかハマってる…
今出したばかりだというのに、身体の火照りが取れない。
自分じゃ満足できない…

ふと、三橋が帰り際に突っ込んだ携帯のメモを思い出した。
取り出して、ナンバーをプッシュしていく…
三橋のメモと同じ数字の羅列が、携帯の液晶画面に表示されていく…
俺…架けてどうする気なんだろ…
我に返ってコールがなる前に携帯を切った。

あっぶね…大体、何て喋る気なんだおれは…
そんな思いを巡らせていると、携帯がけたたましく鳴り響いた。

榛名は携帯に気が付かないことが多いと秋丸達に文句を言われるので、携帯の音量が最大にしてある。

慌てて電話にでると、相手は三橋だった。
「は…はっ……榛名っさん……ですよね?」
「おま……何で」
「す…すぐ切れちゃったから、そうだと思って……」

「……何の用だよ」
自分が先に架けたことなど忘れたかのように、鷹揚な態度で返事を返す。
「あのっ……あの。榛名さん『ベースボールPro』って雑誌ご存じですか?」
「知ってる…」
と、言うか知らないわけがなかった。
プロ野球選手達のデータや、普段の練習内容、何ページにも渡るインタビュー。選手それぞれの過去の軌跡など、事細やかに紹介されている季節誌だ。
プロを目指す榛名にとって、出来れば定期購入したいほどの雑誌である。
しかし、どういった購入層を見込んでいるのかその雑誌は非常に高く、しかも普通の本屋で取り扱っていないため、高校生の榛名には『高値の花』的存在の雑誌でもあった。
仕方がないので、その本が紹介されるときにほんの少し載るエピソードなどを楽しみにしていた。
「うち……家に全部…あって」
「全部??」
『ベースボールPro』は70冊は出ているはずだ。一介の高校生に揃えられるはずがない。
「お前の家になんであんの?そんな簡単に買えねーだろ?」
「うと……あの……親戚のおじさんが…野球やってるんだろ?って…買ってきてくれて…、それから続けて親に買ってもらってます」
すねかじりか…とは思ったが、あの本が全部揃っているというのは魅力的だった。

見たい…

「よ……よ……かっ…たら。見に来ません……か」
断る理由が無かった。


               ◇
               ◇
               ◇


三橋の家に付くと、家のでかさに少し驚いた。
庭も広そうだな…と目をやると、いくつかのボールが転がっているのが見えた。
近付いて行くと、池の向こうに的が用意してあった。
「お前の投球練習所?」
「は…はい。そうです。」

「お前ってピッチャーなの?」
「は…はいっ。そうです」
「ぷ…そんなに緊張しなくていいぜ」
三橋のどもりながらもハキハキした(?)口調は可笑しかった。
なーんか、コイツってちっちぇー動物みたいで可愛いよな。
タカヤも最初あった時は、こんなんだったっけ…。

「じゃー夏ん時、会ったのお前か」
「はいっっ」
何か…嬉そーだなコイツ…なんでだろう?
(三橋は『榛名さんが、俺のこと思い出してくれた』と言う幸福感で包まれていた)

「もっと、近くで見ていいか?」
「は……はいっ」
慌てて案内してくれる三橋に、軽い気持ちでついていった。
『金持ちの施設』…その程度の認識だった。

「なぁ…お前どんな球投げんの?ちょっと見せてくれよ…」
三橋は、2つ返事でOKした。
タカヤがどんな球を受けているのか…少し興味が沸いた。
その時は、単なる好奇心だっんだ。

「何あれ、ドクロ?w」
「は…はいっ。じゃ、アレ狙います」
9分割されている的のど真ん中にある髑髏を見て、思わず吹きだしてしまった。
よっぽど打たれるの怖いんだろうな〜コイツ。なんて、見ていたら、三橋は見事に髑髏へ命中させた。
「へぇ…上手いじゃん。」
「つ…次はどこに当てましょうか?」
ちょっと褒めてやると三橋はそんな事を言いだした。なんだコイツ?言ったところに当てる気か?フン…出来るわけねーだろ。生っ意気なやつ
でも、一生懸命なヤツは嫌いじゃなかった。
「じゃー右上」
バシッ
「左真ん中〜」
バシッ
「右下」
バシッ

………………え?
「真ん中上」
バシッ
「左下」
バシッ
「右真ん中」
バシッ
次々と命中させていく三橋に目が点になる。
……な??…………なんだコイツは……。何気に、すげぇ…

「お…お前って、狙ったところに当てられるのか?」
「あ…はい。大体は…。」
大体って…ドンピシャだったじゃねーか。

三橋を見る目が…少し変わった。
9分割のコントロールだと?んなもん聞い事ねーよっ
俺は途端にコイツがどんな練習をしているのか気になった。
コントロールは課題の一つだ。シニア時代より格段に良くなりはしたが、まだまだだった。
俺の欲しい制球力をコイツは身に付けていた…。

「あの…榛名さんも投げますか?」
三橋がボールをよこしてきたので試しに投げてみた。
バシィィィッ
髑髏を狙ってみたが、大きくはずれてしまった。
やっぱ無理だ………コイツ…ひょっとしたら飛んでもなく、すげぇヤツかも…
「すごぉぉぉい。榛名さん」
勢いのある拍手に振り向くと三橋は必死で手を叩いていた。

「か…か…軽く投げたっ…のに、あんな早い球。そ…尊敬します。」
……なるほど。コイツからしたら俺が羨ましいのか。
目をキラキラさせて見つめてくる三橋は好感が持てた。
「よっし。本見せてくれよ三橋」
「は…はいっ。」
尊敬されるのは悪い気はしない。
俺はすっかり三橋が気に入り、可愛い後輩のように感じていた。


               ◇
               ◇
               ◇


部屋に入ると、三橋はカチャカチャと氷のぶつかる音を響かせながらジュースを運んできた。
本を読むのに夢中だった俺は差し出されたストローに口を付け、ちゅーっと吸い上げる。

……美味ぇ…。何というか、フルーツをそのまま手で搾ったような新鮮さだった。
「あ、お…おか…おかわり…どうぞ」
三橋はそう言うと、一気に空になったグラスにトポトポとジュースをつぎ始めた。
見たこと無い瓶入りのジュースで、いかにも高そうだ。

…しかし、コイツん家ってなんでもあるなぁ…
庭には投球練習所、俺が喉から手が出るほど欲しかった本がズラリと並んだ本棚。
部屋の片隅に転がってる野球用具も高級品ばかりだ。

でも、別に羨ましくはない。
いつか、俺もこのくらい簡単に揃えられるくらいの選手になってやる。
「あ…あの……榛名さん」
そんな密かな誓いを立てていると、三橋が話し掛けてきた。

「ケ…ケーキもどうですか?…」
そう言っておずおずとケーキを差し出してくる。
「サンキュ」
受け取って口に入れると、今度は微妙な味だった。ブランデーというか、洋酒がたっぷりと含まれていてハッキリ言ってマズイ…。
三橋がケーキを取り出した箱を見ると、何やら格調高いマークが付いていた。
ブランドのケーキだったのだろうか?高けりゃ美味いってものでも無いらしい。

「あ……美味しく無かったですか?すみ…ませ……っ」
顔にでたのだろうか?などと軽く考えていると
三橋は、たちまち泣き出してしまった。
「オイッ……泣くなよ。俺が泣かせたみてぇーじゃねーか」

「だ…だって……ひっ…く。きょ…今日は榛名さんに楽しんでもらおうと思っ…」
「あー。十分楽しいからよぉ。気にせず笑えよ」
そう言って三橋の頭を撫でてやると、キョトンと首を傾げてきた。

なんかチョーシ狂うなコイツ。なんか可愛いいし。
俺は三橋の仕草が何だか可笑しくなって少し笑ってしまった。
「は……榛名さん…わらっ…笑った」
まるで凄い発見でもしたかのように三橋が赤くなって興奮している。
俺が笑ったのがそんなに嬉しいのか?
すっかり安心して笑っていると、三橋に口元をペロリと舐められた。

「………」
「あ…の…クリーム……ついてた…から」
俺にガン見されて、三橋はたどたどしく答えた。
だからって口元舐めるか?
「ま…まだ取れてない」
「え…」
三橋がそろそろと舌を伸ばして唇の端を舐めてくる。
この間の西浦高校での部室のことが、まざまざと思い出された。
チロチロと舌先で舐めてくる三橋の唇を、顔をずらして重ねてみた。

キスは気持ちいい…
この間の事で、俺はそれをすっかり認識していた。
舌を絡めると、三橋が膝立ちになって、俺は上を向く格好になる。
他の男にされたら張り倒してやるところだが、三橋が一生懸命舌を伸ばしてくる姿がなんともいじらしく、可愛らしく感じるので好きにさせてやる。
それに、するよりされる方が、より気持ちよかった。

「ん……んっ」
気が付いたら自然と三橋の腕に縋り付くようになっていた。
ぼぅっ…とした俺に「ベッドに行きませんか?」と少し興奮したような三橋の声が届いた。
俺は、三橋に少し掴まりながらベッドに腰を下ろした。

三橋は俺のベルトを外し、少し膨らんだ下着を撫で上げてきた…
「ん…っ」
三橋の触り方は、凄く繊細で、先程の投球を思い出させた。
夢のようなコントロール…
あの指が触れていると思うと、自然と身体が熱くなった。
「はぁ…」
三橋が下着に手を掛けたので、腰を浮かせて脱ぐのを協力してやる。
剥き出しになった其処に、三橋がぴちゃぴちゃと卑猥な音を立てて舐めてくる。

まるで、小さな子供を騙してイケナイ事をさせている気分だ。
口の中にカプリと俺を頬張ると、前みたいに後ろに指を侵入させきた。

指の異物感には相変わらず嫌悪したが、その奥をつつかれると堪らなく気持ちよくなることも、ちゃんと身体が覚えていた。

「ん……あっ」
どうしよう…。すげぇ気持ちいい…。クセになっちまいそうだ。
ヤバイ…と頭のどこかで警鐘が鳴ってっていても、止める気にはならなかった。

三橋が俺の良いところを指のタコでグリグリと刺激してくる。
「あっ……あっ……あ」
暫く夢中になっていると、急にそこが更に広げられ、圧迫感が一気に増した。
「え?……な」
「指……増やしてみたんです…。だ…だめですか?」
言いながらも刺激されると、もう何も言えなかった。
ぬるぬると抜き差しされる指にすっかり翻弄されている。
三橋の指がいやに滑りがいい…。ふと腰の当たりを見ると、ワセリンのチューブが転がっていた。

「あ……あっ……はぁっ」
三橋が前を口で刺激しながら、指を素早く出し入れしてきた。
潤滑剤で滑らかに滑る指の刺激は、言葉に出来ないほどの甘い疼きが走り、腰から全身に響き渡る。
「や……もぅっ……イクっ」
身体が強ばって、一瞬真っ白になった。
こんな快感、一度だって感じたこと無い。
この間より、断然気持ちいい。


「は…っ…はぁ……はっ」
俺が余韻に浸っているうちに、静かに足を広げられ、気が付くと足の間に何か柔らかいもんがあたった。
「…?」
にゅる…
視線をうつしてギョッとした。三橋の雄が押し当てられていた。
「なっ…」
固まる俺に、少し息の荒くなった三橋が語りかけてきた。
「は…榛名さんっ…。ゆ…指が、気持ちいいなら…もっと…気持ち良くしてあげられます」

もっと…?

三橋がゆっくりと侵入してくる…

もっと、気持ちいい…?

まるで呪文でも架けられたかのように、三橋の動きを見ていた。

「う……。いっ…た……」
どこか現実味の無かった意識が、其処への痛みで現実へと俺を帰した。
「は…榛名さん、力…抜いて…っ」
「やめ…無理っ」
当然、三橋は退くと思った。
いつもどもってビクビクと震えてるくせに
「ご…ご…ご…ごめんな…さ……。」
「え?……ひっ………ぃっ」
体重を掛けて、更に侵入してきた。
「や…やめろっ三橋っっ!!」
「ご…ごめんなさい。も……とまらな……っ」
泣きながら困り果てたような、情けない顔をした三橋が目に入る。

く……確かにこんな状態から止められる男なんて、そうはいないだろう。俺なら無理だ。
仕方なく覚悟を決め、全身の力を抜く努力をする。
必死で息を吐いて、覆い被さる三橋に抱きついた。

三橋が少しずつ俺の中に入ってくる。
喉に迫り上がる吐き気に耐えながら、必死で痛みに耐える。
喩えようもない不快感が全身を駆け抜ける。…何処が気持ちいいんだ、このガキ終わったらぶっ殺してやる。

「はっ……はっ……はぁっ」
静まりかえった部屋に、荒い息が響く。
やっと入った。全身に嫌な汗をかいて、めちゃくちゃ気持ちわりぃ…
あまりの痛みに目尻に涙まで浮かんでしまってる。
大体、何で俺が突っ込まれなきゃならねーんだよ。
何か段々腹立ってきた。

「う……う……」
「あ?なんだよ」
もう、正直脱力ダリィ…。早く抜け。
「うご…きます。」
「へ?…ちょっ……やめっ」
止めようとしたが、三橋は腰を振り始めやがった。
「ちょ…こらっ……やめっっ何ちょーしこいてんだっっ。テメーはっっ!」


「あっ…。ちょ……ぉっ」
『待て』…は、言葉にならなった。三橋が擦ってくるのが指で散々煽られたあの場所だったから。ぶん殴ってやろうと思ったのに、そこへの刺激に抗うことなど出来なかった。

俺の身体…どうなっちまうんだろう。
入り口の所は出し入れされるたびに痛みが走るのに、その奥への刺激は溶けるような快感が走った。
もう……めちゃくちゃ気持ちいい。
我慢できなくなってイッてしまった。イク時の無防備な快楽に、三橋の刺激が重なって、頭の中が真っ白になった。



ズルリ…と身体の中から三橋が退くのを感じた。
「んっ…」
わぁ…なんつー声だしてんだ俺…。
恥ずかしくてそのまま俯せになって顔を隠した。

「あの…榛名……さ……ん」
話し掛けてきた三橋は、俺の背にそっと手で触れてきた。
ゾクッ…
その瞬間、過敏になった身体に、電流のような衝撃が走った。
「あ………さわ…んな」
余韻の冷め切らない俺は、ほんの少し背に触れられただけで、ビクビクと感じてしまう。
そんな事、三橋に悟られないように、それだけを伝えるのがやっとだった。

「で…でも、後始末しなきゃ…」
え?と、思ったときには、先程までコイツが突っ込んでいた場所に、あろう事か指を埋め込もうとして来やがった。
「なっ…ひぁっ」
驚いて振り向く俺を、三橋が背を押しつけて押し戻した。
イッたばかりの身体は、その押さえつけられた指の感触に仰け反った。
「ひぁっ……ぁ」
甘い声が反射的にでてしまい、震える俺を見て、とうとう三橋におかしいと気付かれてしまったようだ。
「榛名…さん?」
「さ…触んな…っ」
指を置かれているだけでもピクピクと背が反応する。
ほんの少しでも動かされたら跳ね上がってしまいそうだ。

「ひょっと…して、か……感じてくれてる…んですか?」
背後で三橋がゴクリと唾を飲み込むのがわかった…。

「んぁあっ」
背に置いた手の指先で、背中をつーっと撫でられた。
ピンポイントな刺激は神経がその一点に密集するため、背中全体に緊張が走る。
背中が丸ごと性感帯になったような状態で、次に何処を触られるかわからない緊張感に身体が震えるのを止めることが出来ない。
「あ……やっ……やぁっ」

ちゅっ
「はっ…」
背にキスされると同時に、背中が跳ね上がる。
指からの刺激に意識が集中しすぎて、他の場所へ触れられることに無防備すぎた。
「ん…あっ……やっ……」
見えないから、次に何処へ刺激がくるのかさっぱりわからない。
三橋が触れるたびに電流のような甘い痺れが背から腰、全身へと広がっていく。
「や……もうやだぁぁぁ」

「で…でも、…勃って…ます……よ」
俺自身に触れながら言われては、否定のしようがなかった。
確かに俺は感じていた。
背後で三橋が自分でしごいて堅くしているのがわかる。
またされる…。そう思うと下腹部が熱くなった。

ぬらぬらとした先端の柔らかい三橋自身が、俺の双丘へと押しつけられる。
また、あの痛みと不快感に耐えるのか…と、身構えたが予想外にするん…と、簡単に中に入ってしまった。
今度は不快感も殆ど気にならなかった。
それよりも…、どこかであの快感を期待している自分がいることに………愕然とした。

「あ…あ…あんっ」
安堵した所に三橋が動き出す。
奥を擦られる快感に、全身の神経が過敏になっていて、背に落とされる唇と指の感覚にビクビクと反応してしまう。

「あっ……や…ぁ……。ふ…っ………ぁーーっ」
いつの間にか女みたいな声になってるのに、止められなかった。
気持ちよすぎて、今はこの感覚を全身で貪り食うことしか考えられなかった。


               ◇
               ◇
               ◇


「あの…これ。」
玄関には三橋が呼び出したタクシーがとまっていた。
振り返ると、雑誌を詰め込んだ紙袋を持っていた。

ああ…そう言えばコレを読みに来たんだっけ…
本を受け取ると、三橋はタクシーチケットも手渡してきた。
「いらねーよ。電車で帰るから」
「で…でも……身体…辛いんじゃ?」
返そうとしてピクリと手が止まる。

身体の奥には今も三橋がいるような鈍痛が走る。
暫く前までは起きあがることも出来なかったのを、三橋の手を借りて身支度を整えたばかりだ。確かに…楽に帰れそうもなかった。

「タクシー…呼んじゃったし……つかっ…使ってください」
たどたどしくビクビクとそれだけ伝えてきた。

やっぱりこう見ているとどう見ても小動物だ。
コイツに何かされるなんて…、こうなってしまった今となっても、どうにも考えられない。

何か…憎めねーんだよな。コイツ…
「わかった使わせてもらう」
途端に三橋はホッとした顔を見せた。
俺のこと心配してんのか?カワイーヤツ
そんな事を考えながら、三橋の頭を撫でてやった。

なんでこんな気持ちになるんだろうな…
突っ込まれて身体痛くて最悪だっつーのによ。
嬉しそうにしているこいつ見てると…不思議と嫌な気分なんてふっとんじまう。

「ま…ま……また、来てください。」
無言で左手を軽く挙げて無言で別れを告げる。
でも、こんなのこれきりだ…。

タクシーに乗り込んでから、家までのことは覚えてない。
気が付くと自分の家のベッドに横になってた。

今…何時だろ…。部屋は真っ暗だから夜のようだ。
月明かりに照らされて、見慣れぬ紙袋が視界に入った。
三橋の家で借りてきた雑誌だった。

「あ…」
持ってきちまった。
俺はがばっと身体と起こすと、腰の痛みに再び突っ伏した。
「……テェ…」

もう…連絡しない方がいいに決まってる。
こんなのにハマったら絶対ヤバイ。





そう……思うのに…………

頭ではわかっているのに……

あの本は返さなくちゃいけない……

別に宅配でもかまわないのに、俺は自分の手で帰す事しか考えてなかった。
三橋の顔を思い浮かべるだけで…身体の芯が熱くなっていった……。



■今回、三橋×榛名と言うことで、あの身長差では正常位でキスとかむずかしいよなぁ…榛名が苦しそうだ。

じゃ、背中を性感帯にしてバックで行こうか。背中にキスなら三橋でもやりやすそうだ……と決めていたのですが、うっかり正常位で入れてしまい、「あ、どうしよう設定がパーに…」てなわけで2ラウンド目突入させてみましたw

タイトルの「餌」は雑誌と三橋の快楽両方のつもりだったのですが、意味わかったかな…タイトル変えた方が良いだろうか…もし良かったらご意見下さいませ…。単に好奇心2で良いような気がする…。

さて、次で完結の予定です。阿部が誰とチューしたのかとか判明します。
実は1作目の時点で書いてあったのですが、3部作になりそうなのでそこだけカットしてみました。
3作目はそのうちupします。まとめだしね…。ラブラブのHにするですよ☆

■話変わりますが、三橋って総受け臭いのに攻め要素ばっちりだと思いません?オドオドしているのに一番欲しい物はしっかりと主張して持っていくガンコさ…。手に入れるためには「手段を選ばない」+「外聞など気にしない」肝っ玉。いや…管理人は、三橋受けも大好きですっっ。

2007.11.271



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