真面目な時音は男を立てる

「ごめんね良守」
「え?」
今日も時音と二人、夜の烏森。突然時音が声を掛けてきた。
なんか、いつもと違ってしおらしい。

「どうしたんだ?突然。」
「えと…なんかこの間のじゃダメだったみたいで…ごめんね」
この間のって…出来れば無かったことにならないかなぁ…あれ。
でも、ダメだったって何でわかったんだろ?

あんなの誰かに喋ったの?時音が?
いや、ありえないだろう…

「それ…誰かに聞いたの?」
「まどかに…」
誰それ?…あ、時音の友達か。でも、アレを人にしゃべるかぁぁ??
じゃあ、なに?俺は時音に出すの手伝って貰いましたって、そのまどかって人は知ってるわけ?……顔から火が出そうだ。

「あんた顔真っ赤よ?大丈夫?」
「……うん」
「それでね、まどかがそう言うときは、せめて口でしてあげなって…ちょっ…良守大丈夫?」

く……くくくく…くち??口?お口?
フェラチオ…それは男なら興味はある。
しかし、時音にそんなマネしてもらっていいのか?させていいのか?
大体時音の口の中に出すのか?それとも顔射か?
どちらにしても、良守はやりたくなかった。

やっぱり好きな女の子なのだ。
大事にしたい…

「いいよ。時音気にしないで」
「でも…」
どうも時音はこの間のことを気にしているようだ

「なら…抱かせて」
「え?」
「時音の事、大事にしたいから。俺…時音のこと抱きしめたい。」

そう言って、ぎゅっと時音を抱きしめる。
『大好きだ』って気持ちを込めて、苦しくないように力を込めると、時音も俺の背に手を回してくれる。

「時音…俺のこと好きでいてくれる?」
「うん。」

穏やかな答えに、胸がいっぱいになる。
確かにしたいときもある。でも、こうやって…時音と一緒にいられるだけで十分幸せなんだ。俺って…なんて果報者なんだろう。

「ありがとう。時音、大好きだよ」
心の底からそう思う。
俺の気持ちを受け入れてくれただけで、世界が違って見える。
ずっとずっと焦がれて…手が届かないと思っていた存在が、今、俺の腕の中にいる。

「私もよ。良守。だから良守に辛い思いさせるのは嫌なの」
「まどかにね、男を立てなさいって言われたの。良守って子供の頃から知ってるし、今更って言ったんだけど、だからこそ…そう言うの大事にしなきゃダメだって…」


「だって…だって良守は…」
時音は俺の肩口に寄せていた顔を離して、ゆっくりを俺を見据える。
「私の彼氏だから…ちゃんとしっかりして欲しいから」
と…時音。
俺は感動して時音に口づけた。
ありったけの気持ちを込めて。こんなにも時音が好きだって伝えたくて…何度も何度も…
そっと舌を時音の唇に差し込むと、時音もそっと返してくれる。
幸せだ…ずっとずっと好きだった時音。
ずっとずっと一緒にいたい。

口づけを離すと、時音が俺の腰の当たりをごそごそ探り出す。
「だから、へたくそだと思うけどがんばるね」
そう言って時音は俺の腰ひもに手を掛ける
「いや…時音。本当にいいって。」
俺…時音を汚すようなマネしたくない。

二人の間に沈黙が流れる…
「ダメ?」
う…そんな可愛くお願いされて断れるワケがなかった
「ダ…ダメなワケじゃねーけど…」

「よかった」
そう言ってふわりと笑う。
すげー可愛い。時音のこんな顔見られるなら何でもしてやろうって思う。

ゆるゆると時音が俺の腰ひもを解いていく…
俺は期待半分、不安半分と言ったところか…
下着をずらされて、時音がそれに触れる…

チロチロと先端を舐める、時音の小さな舌が妙に紅くて…
少しずつ濡らして時音の口がカプリと俺をくわえこむ。

うわ…気持ちいい…時音がちらりと俺を見た。
もう、そんな時音を見るだけでもイってしまいそうだ。

足が震えて腰が抜けそうになるのを、何とか踏みとどまる。
「と…時音。出る」
予告するのは時音に逃げて欲しかったから…
このままじゃ時音を汚してしまう。

「たったわ。これで良いのね」
「え?」
時音はさっと口を離し、良守の男の子が立派にそそりだつのを見届ると、ガッツポーズを決める。


「よかった。まどかが男をたてろって言うから…」
「…え?」
もしかしてこれで終わりなわけ?
「じゃ、戻りましょう」
うう…なんて可愛い悪魔の笑顔。
そうして時音は走っていってしまった。良守を残して

まさか…まさか、これが男を立てるなのか?時音…それは違うぞ。大きな勘違いだ。
しかし、良守に続きを要求するなんてとても出来なかった。
恥ずかしすぎて…



続きを書くなんて、鬼だな私も…
この二人が付き合いだしてこんな関係だったら嫌だなー
普通にHするって選択肢は時音に無いのか??
1作目の冒頭で、すでにそんな関係に有ることになってるんだがな…うーむ

2007.5.12



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