リアルくノ一 良守編

…………夢かとも思った。
あまりに突飛で、信じられなくて…

兄貴は……俺に何をした?
おぼろげな記憶であろうとも、何があったのかハッキリ認識できていた。

お……れ………兄貴と。



■■■■■



2日後
あれから良守は、何とか今まで通りの日常を過ごしていた。
ただ、家族の顔もまともに見ることが出来なかった。

「なにかあったのか?」
「どうかした?」
と、みんなに聞かれる度に顔から火が出そうだった。

今日も烏森で時音に訪ねられてしまった。
「はぁ…」
墨村の装束を脱ぎ、寝間着代わりのTシャツと短パンに着替えて横になる。

モヤモヤする気持ちを抱えながら、良守は眠りについた。







………?………!!
「良守…」
後ろから抱きすくめられて、一気に緊張する。



兄貴…
「お待ちしておりました。お頭」
良守は何か言おうとしたが、暗示がまだ有効らしく、口から出てきたのはそんな言葉だった。

とはいえ、すぐに意識は取り戻せた。
当然のように俺の上にのしかかってくる兄貴が、顔を近づけてくる…
兄貴を、今なら撥ね除けることができるはずなのに、まるで呪縛されているかのように動くことが出来ず、そのまま口づけを受け止める。

「ん……ぅっ」
正直、キスは気持ちいい。
してるのは兄貴なのに…

舌を絡められると頭がふわふわして、気持ちいいって感覚でいっぱいになる。
俺、どうしたんだろう。相手は兄貴なんだぞ?少しは正気になれよ。

キスしながら兄貴がTシャツに手を忍ばせてくる。
撫でられるだけで、何か気持ちいいのに…感じるところに触れられて思わず声がでる。

「あっ…」
「感じる?」
俺が声を上げるとそんな事を聞いてくる。しかも耳元で低く囁かれて、俺はなんだかエッチな気分に歯止めが利かなくなってきた。

「やっ…ぁ」
乳首なんかを舐められてびっくりする。
しかも、キスしたり吸い付いてきたり、しつこいぐらい舌でなぶってくる。
頭を振って嫌がって逃げようとする俺を、体重を掛けて押さえ込まれたんじゃ逃げようがなかった。
仕方なく何とか耐えているところに片方の乳首にも指で悪戯を仕掛けてくる。

うわ………、どうしよう。何か下の方がやばくなってきた。
俺が腰をもじもじさせているのが伝わったのか、兄貴がソコに触れてくる。
瞬間、俺の身体がビクーッてなって、その反応が兄貴はお気に召したらしい。

短パンの上からそっと触れていたのに、下着ごと脱がせて直に触れてきた。
「はっ……ぁっ……あんっ」
人にされる快感に身体が震える。

こんな事、前回もされていたのだろうか?
朧気な記憶が、徐々にハッキリと蘇る。
そうだ…確か口でされちゃったんだ。

思い出したとほぼ同時に、兄貴の唇が下へ下へと移動していく。
「あっ…ぁ」
俺、期待してる…。あれ、凄く気持ちよかったから。

良守がハッキリと自覚したとき、正守にパクリと食べられた。
「んぁ……ふぁっ……ぁ」
これからされる事への期待感と気持ちよさで、いやがおうにも高まっていく。

「あ……もっと…」
無意識に出た言葉に、正守はしっかりと応えてくれた。
きつく吸い上げては優しく舌を絡めて、強弱を付けて高めてくれる。
「あっ…あぁん……」

俺は身体をビクリと痙攣させて達してしまう。
はぁ…はぁ…と荒く息づく俺を待たずに、兄貴は後ろに指を潜り込ませてくる。
「……っ」
緊張で固く閉じられたソコに、濡れた指は匠に滑り込み蹂躙していく。

「や……ぁ」
体内で蠢く指は不快に感じたが、良守はそれがやがてどういった行為に繋がるのかを知っていた。気持ち悪くて恥ずかしくても、意識が飛びそうなほどの快楽には逆らいがたいものがあった。

指が増やされ、押し広げられた其処へ、正守が舌を潜らせ良守の放った体液を注ぎ込む。
潤滑油として奥を濡らすそれに、誘われるように深々と指を突き立てられると、思わずくぐもった声が漏れる。

ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて内部を掻き回されるうちに、良いところを突かれて腰が揺れるのを止めることが出来なくて…
「あ…あっ……もぅっ……」
我慢できない。
一度知ってしまった快楽を求めて、内部に埋め込まれた指を媚肉で包み込むように締め上げながら、正守にしがみつくと正守は指を引き抜き、俺に覆い被さって足を胸に突くほど折り曲げると、ゆっくりと腰を進めてきた。

「……いっ…た…」
気持ちいい記憶しかなかったので、あまりの痛みにおののいた。
そう言えば起きたときの鈍痛は半端ではなかった。

「やだぁっ……痛い」
痛みを思い出して急に怖くなり、全身で正守を拒絶し始める。
俺が急に暴れ出したのに正守は落ち着きはらっていて、すっかり縮こまった俺を包み込み、宥めるように触れてくる。
「あ……ふっ……………ん」

自然、そこに意識が集中して力が抜けたところへ腰を進めてくる。
「あっ…」
上手い……。コイツ…手慣れてる?
そう思って正守の顔を見たら、キスされてしまった。
すっかり気持ちよくなった俺は、徐々に侵入してくる正守を何とか受け入れていた。

すっかり収まった頃には、俺はぐったりとしながらも正守にしがみつこうとした、その時…
「良守」
「…?」
不意に呼ばれて我に返る。訪ねるように兄貴の顔を見ると
「気持ちいい?」
問われて素直にコクコクと何度も頷く。もう、身体はとろとろに とろけそうだった。


「お前、暗示に掛かってないだろう?」
突然の事に驚き、…冷や水を浴びせられたように緊張した。
「ぷっ…やっぱり」
今の顔じゃそりゃバレバレだろう。
でも、でも、暗示に掛かってないってどうしてばれたんだろう?

「不思議そうだね」
う…なんで考えてることが判るんだよ。
「だって前と全然違うもの。前はボーとしてたのに、今日は凄く気持ちよさそうにしてるからさ…あ、コレは意識あるのかな…なんて」
な…なるほど。

…て、どんな顔すれば良いんだよ。
俺が困ってる居ると正守は「そんな顔するなよ」という
「俺としては嬉しい限りなんだぜ?良守の意志で俺を受け入れてくれてるわけだから」
その言葉にギョッとする
「なっ…俺が、何時お前を受け入れたんだよ!」

……

…………

………………

…………………なんだこの沈黙は。

「あ、そんな事言う?」
何で嬉しそうなの??
言いながら楽しそうに腰を揺らす。
「あっ…ちょっ。」
確かにこんな格好で突っ込まれながら言っても、何の説得力もない。
しかも、正守が腰を使うたびに気持ちよくなって仕方がないのだ。
「あっ……あんっ………やめっ」

「止めて良いの?」
おやおや?というような顔で、俺の顔を覗き込んでくる。
「意地……わるぅ…………はぁっ……ぁ」

結局、今更止められるわけがなかった。
盛った身体が収まるわけもなく、正守に与えられる快感に何度も穿たれて淫らに正守を欲しがって浅ましく腰を振って嬌声を上げるハメになった。

兄貴が俺を放してくれたときには、意識は白濁していて何が何だかもうよくわからなくなっていた。







兄貴が俺の身体を綺麗にしてくれた時には、何とか意識がハッキリしてきた。
その様子を見て大丈夫だと判断したのか兄貴はすっと立ちあがった。
「また来るからね」
「もう来んな!!」




「記憶があるのに…俺に抱かれてたのはなぜ?」

「うるせぇ!!!」
あまりの羞恥に力一杯叫んだ。
叫び声の大きさに、正守は目を丸くする
「そんな大きな声出したら、みんなが起きちゃうよ」

「黙れっっお前なんか大っ嫌いだ。もー二度と俺の目の前に表れるな」


「じゃ。又札送るよ」
「あんなもん効かねーよ」
「効いた振りはしてくれるんだろう?」
「!……っ」
「それで十分だよ。今はね」

俺は枕を投げつけてやったが、正守は結界でかわして窓から出ていった。
「また…気持ちよくしてあげるから」と、口説き文句を残して。







「頭領。札一枚しかもってってなかったのにアレで足りたんですか?」
「ああ。口説き落としたからね」
「えっ」


その後、頭領にあの夜の男達から尊敬の眼差しが注がれたとか注がれなかったとか…



頭領、流石です
さて、こんな話面白かったかなぁ?結局めっちゃくちゃボツの山が出たよw
皆様が楽しんでくれますよーに☆なむなむ

2007.7.16



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